『俺節』を観て安田章大坦になった話 - 理屈にできれば楽だけど

今更こいつぁは何を言っているんだ…？と思われるかもしれませんね。

でもちょっと聞いて。やめて石を投げないで。真面目な俺節の感想もあるから。

わたし、2016年12月の東京ドームでに関ジャニ∞さんにハマってからも

「安田さんのファンだけどぉ、まだジャニーズよくわかんないしぃ、担当って言うのはおこがましいっていうかぁ」みたいなスタンスで応援していたんですよ。斜に構えやがって。

女子ドルオタの【推し】よりも、ジャニーズの【自担】は重い気がしてファン歴半年程度の私が軽々しく名乗ったらいかんのでは？と思っていたんです。

だってDD（誰でも大好き）推し増し（推しメンを増やす）ダメって聞いたし？※個人の見解です。好きになるの、怖い。私まだ安田さんのことよく知らないもん！と。

でも俺節で命を燃やす安田さんが視界に入るたびに涙が出てきて

もう安田さんしか見えないなぁって。この感情が【自坦】なのかなぁって。

気持ちが抑えられなくて、もうcan't stop me！って感じなので言いますね。

私は安田章大坦です！

ということで、ここからは私の主観丸出しな俺節の感想です。こっちが本題。

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はじめに、『俺節』を観に行くことができて本当に、本当に、本当に良かったです。

チケ取りにご協力くださったみなさま、ご縁をくださった方、ありがとうございました。会えたらお礼にパイン飴をあげます。

5/30(火) 6/1(木)の2回、観劇しました。

もともと福原さんが大好きで演出を信頼しているので、「上京してきた青年が歌を武器になんやかんやする」というざっくりな前情報だけで伺ったのですが…

赤坂ACTシアターに

私の知る「アイドル安田章大」はいませんでした。

安田さん演じる「海鹿耕治」がいただけです。

安田さんってこんなに演技が上手なの…？いや「演技が上手」という表現はふさわしくないかもしれない。あの場で私が見ていたのは間違いなく海鹿耕治でした。

それでも1度目の観劇時、「はぁい」「ぁれ？」「ぅん」にほんの少しだけ私が知っている安田さんのやわらかな存在が感じられたのに、2度目には全く安田さんが感じられず舞台上にいたのは完全にコージでした。

あの舞台上で「安田章大」の存在はあまりにも心もとなく、観劇しているファンの心の中にしかいない亡霊のような存在でした。ここまで演者の人格が見えないなんて…

間違いなく安田章大は天才。

そして間違いなくこの作品は後世に残る傑作。

今まで観てきた舞台の中で「世紀の瞬間に立ち会えた」と思った舞台が何度あっただろう。アイドルの安田さんを知らず、いち福原ファンとして観劇したとしても私は安田さんの稀有な才能に惚れ込んだと思います。

1度目にあまりにも命を削るように演じる安田さんを観ていた私は、2度目は祈るような気持ちで観ていました。もっとこの舞台を観たい気持ちと、早くコージから安田さんを解放してあげてという気持ちの真ん中で立ちすくんでしまい、誰に何を祈っているのかもわからないけれど、ただ祈るしかなかったんです。

それにしても…歌に説得力がないと成立しない原作がここまで完璧に成立するんですね。安田さんの歌が持つ圧倒的な説得力。

単純に安田さんより歌がうまい人は探せばいるだろうけど。でも「歌でお前らを倒す」に説得力を持たせられる役者がどれほどいます？

「歌でお前らを倒す」ですよ。ともすればギャグになってしまうようなセリフを胸に迫るシーンにした歌声の説得力よ。

「おらには歌しかない」がこんなにリアルに響くことってある？

観ているだけの私が身を切られるような痛みを感じた。ここまで魂が揺さぶられる芝居に、これから先出会うことができるのかな。

あぁ、やばい書いてるだけで泣けてきた。

ゲロ吐くコージくんとか、「四六時中も好きって言って～」のスキップご機嫌北野波平先生とか、ナホ先生の「初心なようで頑固…そういうとこ、好き！」とか、「1番星が消えるたび～」のオキナワ闇落ちでTシャツから☆が消えているとか、見得を切るオキナワに「相模屋！」の大向こうかかって歌舞伎クラスタの私大興奮とか、好きなシーンは色々あるんだけど…

最後のシーン、まさかの豪雨 の中

唇をかみしめながら歌いきるコージが痛ましくて痛ましくて、そして美しくて。

この演出を決めた福原さん、実現させて千秋楽までやりきったスタッフ・演者のみなさんに尊敬と感謝の念でいっぱいです。ありがとうございます。

まじでDVD化してくれ。映像化の要望はTBSに対するご意見｜TBSテレビまで。みんな送ってくだされ。

そう、福原さんの演出は言わずもがな素晴らしかった。

場転が多くてその都度ガラリと雰囲気が変わって引き込まれる臨場感。あの小さな舞台の上にみれん横丁は間違いなくあった。本当に福原さん天才の人だよ。

小さな役にも1つ1つ暖かい命が宿っていて、本当に本当に素晴らしいカンパニーだったんだろうなって。（語彙の欠如）

まじでDVD化してくれ。映像化の要望はTBSに対するご意見｜TBSテレビまで。みんな送ってくだされ。（2回目）

安田さんが尋常ではなく痩せていたけれど、稽古が過酷なだけでなくコージの人生を背負っていたからでしょうね。

観ただけの私でも安田さんの血肉がすべてコージと入れ替わっているようで、自分の中の俺節を咀嚼しきれてません。安田さんが海鹿耕治から安田章大に戻るには時間がかかると思うけど、今はただただゆっくり休んでほしい気持ちでいっぱいです。

観劇を励みに明日から頑張るどころか、明日に行ってしまったら取り返しがつかなくなってしまう。観た記憶を上書きしたくない、そんな舞台の目撃者になれたことに心から感謝します。

ありがとうございました。